●「スピード感のなさ」が日本全体を貧しくしている。

30年ほど前のこと、日本はアメリカの象徴であるロックフェラーセンターや、アメリカの心とまで言われたコロンビアピクチャーズまで買収した。東京都の地価だけでアメリカ全土を購入できると言われた。そんな日本が、なぜここまで貧しい国になったのだろうか。

不動産バブルがはじけたから?それもあるだろう。東芝が半導体をつくれなくなったから?それもあるだろう。少子高齢化が進んでいるから?それもあるだろう。金融業が発達していないから?それもあるだろう。日銀がお札を十分に刷らないから?それもあるだろう。

だが、これらはどれも決して問題の核心ではない。率直に言おう。日本の経済をここまで貶めているのは、日本のビジネス社会にスピードがないからだ。私はそう確信する。

日本企業と交渉すると、「はい、検討します」と言う。それから2週間で会議を通すから待ってくれと。そして待つ。そのあげく、白でもない黒でもない返事をしてくる。そして違う提案をすると、さらにまた2週間。

ビジネスシーンの状況はめまぐるしく変わっていくのに、日本企業は決断が遅い。いや、「遅すぎる」。もちろん早い企業もあるが、おおむね遅いのは否めない。高速道路に自転車がいるようなものだ。

日本人であれ、外国人であれ、日本で働く外資企業のビジネスパーソンの間で、この日本企業の遅さがよく話題にのぼる。趣旨はほぼ同じだ。日本人は勤勉なのに、この遅さが仇になっている、と。

私は、私の愛する日本の企業がそう評価されることに心を痛めている。勤勉で惜しみなく働く日本企業の社員たちが不憫でならない。もったいないとしか言いようがない。

さらに悔しいのは、当の日本企業が、スピード感がないことでどれだけビジネスチャンスを失っているかまったく自覚していないことだ。

早く気づいてくれ、私の愛するニッポンとニッポン人。一刻も早く気づいて、そして変わってくれ。そう願わずにはいられない。

私が言いたいのは、個別の企業が、スピード感がないゆえ損をしているというだけではない。このこびりついた悪習が、日本全体をダメにしているということだ。このスピード感のなさが、日本人を貧しくさせているのだ。この数十年で日本は莫大な富を失った。

「世界は悪ガキを求めている」妹尾輝男・著(東洋経済新報社)より

 

●仕事に必要な「スピード」の本質

語弊を恐れず言えば、大抵の改革は、スピードさえあれば何とかなるものです。
先手を早く打てるというだけでなく、撤退あるいは修復にも早く着手できるようになるからです。

(中略)

目まぐるしく世界情勢が変わる今の時代に、昔のようにあらゆる部署の要求を聞き、みなが納得するような案を導き出すようなやり方をしていたら、改革はできません。結論が出るころには、他の企業ははるか先を走っているでしょう。

しかし、スピードをもって改革をしていれば、たとえ経営判断で誤りがあったとしてもすぐに撤退でき、修復できます。何も行動を起こさないで議論を重ねるより、行動を起こしてから修正する。今の時代はそのスピードこそが求められています。

「ザ・ラストマン」川村隆・著(角川新書)より

 

●「早いものが遅いものに勝つ時代」

伸びる企業の絶対条件は、スピードですね。
「大きいものが小さいものに勝つのではない。早いものが遅いものに勝つ時代だ」
この傾向は、年々高まっていましたが、コロナウイルス災禍で4回目の動乱期を迎え、
企業存続の絶対条件となりました。

1回目の動乱期「戦国時代」~織田信長のスピード感が天下統一を加速させた!
2回目の動乱期「幕末維新」~坂本龍馬や高杉晋作のスピード感が維新を加速させた!
3回目の動乱期「焦土再建」~出光佐三(出光)や本田宗一郎(ホンダ)や盛田昭夫(ソニー)などのベンチャーのスピード感が、一気に外貨を稼ぎ、焦土からの日本再建を加速させた!

臥龍の誇りは30年連続、コンサルフィー5000万超えではありません。
30年連続、ビジネスと社会起業を両立し続けてきたことです。
この点において、コンサル業界オンリーワンと評価されることが誇りです。

ある社長曰く「臥龍先生くらい働けば、どの社長だって成功する・・・」。
30年間、そういう後ろ姿を見せれる軍師でありたいと思って生きてきました。

言葉・人・モノ・金・情報、そして「時間(スピード)」が第6の経営資源!
人生は50年でも100年でも短すぎる。
一番無駄な時間は、悩む、考える、振り返るという止まる時間。
そして、即時即断即処理しないで、先送りする時間。

ジェフ・ベゾスも、意思決定には「後戻りできない影響力大のもの」と、
「後戻りできるもの」の二種類があると言っています。前者は熟慮決断が必要ですが、
これは意思決定1万回に1回あるかないかです。9999回は一瞬で意思決定し、
やりながら続ける、修正する、止めるの判断をすればいい種類のものです。
一瞬も止まる必要のないことで止まるのが最大のムダです。
社長の時間当たり人件費を考えてみれば、一目瞭然です。

「意思決定」の精度を上げるのは、回数です。自ら「意思決定」し、
それを検証した回数を重ねると、「勘」が当たるようになります。
「勘」が当たるようになるから、「意思決定」は一瞬で終わるのです。
一瞬で当たるようになるから、「自己肯定感」も上がるのです。

臥龍の意思決定時間は「2秒以内」がルール!2秒以内に手から放す!
2秒以上考えなくてはならないような案件は、三か月に1回くらい。

何故なら脳が汗かくまで考え抜いた年末の1週間があるので、
発生する案件のほとんどが「想定内」のことになるから。

臥龍は30年間、止まったことがない。
止まるのは「千回行シート」を創るための、年末の1週間のみ。
残り51週は、普通の人の3倍スピードで全力疾走し、「三人分の人生を生きる」!

実は、1.2倍早いだけで、年間で40日分の時間が生まれるのです!
貴社の全社員が1.2倍速で走れば、年間でどれだけの時間が生まれるか?!

因みに、臥龍はデスクワークをするとき、
一案件毎に終了時間タイマーをセットしています。
「全ての仕事にデットラインを決める!」が基本です。

Q.貴社のスピード感は、日本企業鉄道の中で、 「のぞみ号」ですか?「こだま号」ですか?

それとも「在来線の特急」ですか?「在来線の鈍行」ですか?
「のぞみ号」でないと、このゼロサム時代、生き残りは難しいでしょうね。

■「企業スピード」の上限はトップが決めている

では企業のスピード感は、何で決まるでしょうか?
実は、その上限を決めているのは、トップのスピード感です。

臥龍の関係先で、従業員のスピード感が早い企業の一つが物語コーポレーションですが、その中で一番早いのはツートップの小林佳雄さんと加治幸夫さんです。
お二人のスピード感は、「リニア」です。

すると物語コーポレーションの全従業員のスピード感は、少なくとも「のぞみ号」になります。

逆に、従業員にスピード感がない企業の場合、その原因はトップのスピード感不足にあります。
臥龍の見方では、企業の倒産原因の一番は、「トップの先送り病」です。
要は、意思決定のスピードが遅いのです。

貴社のスピード感を上げるのに、相当有効なものに「2秒以内にYES・NO運動」と「会議終了後24時間以内に議事録配布&対策に着手」と「48時間ルール」と「24時間以内に一歩を印す」があります。

★「2秒以内にYES・NO運動」にご参加ください!

日本の生産性の低さの要因の一つにスピードが遅いことがあります。海外からは、「YES・NO」の反応が遅い、あるいはないと指摘されます。

その一つの典型例が、個人宛の行事案内に対して「無反応」というケースです。本来は、2秒以内に「出席」か「欠席」のどちらかの反応を示せばいいだけのことです。この反応がないと発信者は何度もメールをすることになって、ここでも生産性が落ちます。

臥龍はご縁ある皆さまと、この2秒以内に「YES」OR「NO」の意思表示をする文化を広げていきたいと願っています。特に臥龍ファミリーの間では、”お互い様”の精神で100%実践しましょう!

「YES」は嬉しい返事、「NO」は親切な返事です。

★「会議終了後24時間以内に議事録配布&対策に着手」

会議が終わったら、即座に議事録が関係者に共有されるのが当たり前です。
遅くとも24時間以内です。議事録に記されている対策への着手も24時間以内が原則です。

★「48時間ルール」

「受信後、48時間以内に反応がない場合は、発信者の一存で意思決定してよい。
意思決定のプロセスで意見を言わないで、決まった後にブツブツ言う奴のことを卑怯者という」

この「48時間ルール」がないと、意思決定の遅い管理職のところで仕事が止まってしまいます。
テレワーク時代だと、もっとそれが顕著です。

この「48時間ルール」は、まずトップ自らが実践しないと意味がありません。
臥龍も、「48時間ルール」を順守しようと意識しています。
時々は抜けますが、それでも、あるべきは「48時間ルール」だと、
そこに立ち返る努力は続けています。

Q.貴方様は、社の内外を問わず、寄せられた問い合わせ・決裁事項には、
  48時間以内に対処されていますか?

臥龍も、社長という方々にメールをお送りした後の「48時間以内反応率」を、
この一週間ではどうだったかということで、時々集計しています。
そうすると、その企業の成長スピードと、見事に比例していることが分かります。
ご興味ある方は、「自分のスピード感は、どの列車レベル?」とお問い合わせください。
「48時間以内」にご回答させていただきます(笑)

なお、この「48時間」は、メール開封後ではありません。
発信者が発信してから「48時間」以内ということです。
「開けないあなたが悪い」をルールにしないと、意味がありません。
そしてその反応とは、「●日まで考えます」でもいいのです。
無反応でなければ、いいのです。

マザー・テレサ曰く「愛の反対は憎しみではなく、無関心」
無関心・無反応であると、貴方のホスピタリティが退化していきます。
ホスピタリティとは、「自分がして欲しいことをする。自分がして欲しくないことはしない」です。

★「24時間」以内に一歩を印せ!

あるいは研修に参加して、「これはやった方がいいな」ということがあれば、
24時間以内に一歩を印すことが大事です。例えば、ある会社を見学して、
「この会社の朝礼の二人一組になっての理念に対する意見交換はいいな」と思えば、
その場で、自社の朝礼委員会のリーダーに「朝礼の理念唱和の後に、
二人一組になっての理念に対する意見交換を加えてください」と指示しないといけません。
学んでも、24時間以内に一歩を印す習慣のない会社が、研修成果を上げることはありません。

★結論は、こうです。

「受信後、48時間以内に反応しないトップが率いた企業は、ほぼ間違いなく凋落を見せていく」
(臥龍語録)

あらゆる機会を捉えて、自らの「48時間ルール」を鍛え
次いで、社内に「48時間ルール」を導入し、徹底し、「早いものが遅いものに勝つ」ことを
実証しましょう。